●関節リウマチとは?

 関節リウマチは、朝起床時の手のこわばり感と手くびや指を中心とした関節の腫れや痛みを伴った30歳代〜50歳代に好発する病気です。

 典型例では左右対称的に3つ以上の関節に症状がでますが、たとえ2つ以下の関節にだけ症状がある場合でもリウマチと診断される場合もあります。リウマチは関節だけでなく、内臓(肺、腎臓、血管)も冒す病気であり、注意が必要です。
 関節リウマチの有病率は0.6%〜0.8%、患者数は60万人といわれており、まれな病気ではありません。適切な治療をせずに放置すると、徐々に関節が破壊されて機能障害(関節の動きが悪くなったり、歩行時の痛み)がでたり、肺や腎臓の臓器障害を悪化させる可能性が高くなります。
 そのために早期診断、早期治療が重要であるといわれています。


●診断は?

 診断法については、従来からのアメリカリウマチ協会の定めた診断基準を用いて診断しますが

<アメリカリウマチ学会の診断基準>
 ・1時間以上の朝のこわばり
 ・3カ所以上の関節の腫れ
 ・手の関節の腫れ
 ・左右対称的な関節の腫れ
 ・レントゲン所見
 ・リウマチ結節(関節伸側の皮膚病変)
 ・採血でのリウマチ因子    

 4項目以上をあてはまるもの

 リウマチの発症初期では上記の診断基準を満たさない症例も多く、診断基準を満たすまで治療を先送りすると関節破壊が進行することが判ってきたため、より早期に診断ができるように新しい診断基準が日本リウマチ学会より提唱されています。

<日本リウマチ学会の早期関節リウマチの診断基準>
 ・3関節以上の圧痛または運動時痛
 ・2関節以上の腫れ
 ・朝のこわばり
 ・リウマチ結節
 ・採血での炎症反応陽性
 ・採血でのリウマチ因子   

 3項目以上をあてはまるもの

 さらに最近では、診断の補助として、造影剤を使用したMRI、新しいリウマチ関連因子(CARF、MMP3、抗CCP抗体)なども利用することでより早期に診断できるようになってきています。

 

●治療法は?

 治療法もここ数年で飛躍的に進歩しています。以前の対症療法的な治療から現在は関節リウマチを寛解(完全に治癒させる)させるような積極的な治療に変わりつつあります。
 現在、日本リウマチ学会の推奨する関節リウマチの治療ガイドラインでは、診断後3カ月以内に抗リウマチ薬による治療を開始し、3カ月毎に効果を判定し、治療内容を見直すことが重要とされています。抗リウマチ薬(金製剤、免疫調整薬)による治療を3カ月程度行った上で、充分な効果が確認できなければ、より強力な免疫抑制薬や近年開発され、劇的な効果も報告される生物学的製剤の併用や変更も選択肢の一つとなります。しかし、免疫抑制薬や生物学的製剤の有効性の報告が取りざたされる反面、重篤な合併症や死亡例の報告もあり使用には充分慎重であるべきです。投与にあたっては、充分な経験のあるリウマチ専門医での治療をお勧めします。
 また2004年4月から薬剤抵抗性の関節リウマチに対して保険適応された白血球除去(LCAP)療法は、薬剤治療とは異なる新たな治療法で、末梢血からリウマチの炎症の原因の一つと考えられている白血球を吸着除去することで、炎症を抑制する治療法です。
 これらの治療法を年齢、合併症の有無、関節リウマチの炎症の程度を総合的に判断して組み合わせることが重要です。 

 

●手術療法は?

 リウマチに対する手術治療には、

 ・滑膜切除術
 ・機能障害(歩行時の痛み、関節の動きが悪くなったり)が生じた関
  節に対する関節固定術、関節形成術(人工関節手術を含む)
 ・断裂した腱に対する再建術  

 などがあります。

 滑膜切除術は、以前ほど行われなくなりましたが、現在でも薬物療法に抵抗する少数の関節のはれや痛みに対しては効果があり、すすめられる手術です。また、変形した手くびや足くびの痛み、手指の変形などに対する関節固定術やリウマチによる外反母趾や足部の変形に対する関節形成術の成績も安定しており、推奨される手術のひとつです。人工関節手術は、膝や股関節の人工関節の機種(インプラント)や手術手技の進歩は著しく、成績も安定しており、徐痛効果(歩行時の痛みがなくなる)に優れています。最後に、リウマチの治療は薬物療法だけでなく、手術療法やリハビリ療法も含め、リウマチの病状や病期にあわせて総合的に治療を行うことが重要です。
 リウマチによる関節の痛みでお困りの方は、充分な経験のあるリウマチ専門医での治療をお勧めします。

 

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